仕組み商品を買うのは誰なのか

仕組債を売っている。

おじいさんおばあさんが銀行・証券マンにのせられて買っているであろう日経リンク債などが良い例だろうか。

まあどこの証券会社もそうだろうと思うが、ああいった仕組債を組成あるいは販売している担当者が類似の商品を購入しているという話はついぞ聞いたことがない。

販売会社に仕組債を卸している先輩は、円建て定期預金が最強と冗談半分で言っていた。

実際のところ、為替リスクもなく、一行あたり1000万円までならペイオフ制度で保護されるので消去法的にそうなるのだろう。日本国際でもいいのだろうが、所詮個人が動かせる金額であれば定期預金でも日本国債でも実感を持てるほどの利払いはない。


外貨建て保険のセールスはその保険を契約しているだろうか?おそらくしていないだろう。

山崎元の記事か本か忘れたが、ブラジルレアル建てで日本株に投資することを、サンバの格好で寿司を食いに行くと比喩している例があった。言い得て妙だと思う。

通貨のリスクそのものも大きい上、更に株に投資するというのだから、ファイナンスについて学んだこともない人に売り付けるには無理があると言わざるを得ない。

一般の事業法人に売るときはあんなにもコンプラが煩いのに、生保に売った後その生保がアマチュアにそんな複雑なものを売るのはお咎めなしというのは、腑に落ちないものがある。

流石に金融庁も見過ごせないのか銀行窓販の投信やそういったリスクの高い保険商品ついてはKPIの開示を求めるようになったようだ。